色えんぴつの詩 -2ページ目

「誰でもない」

少女と呼ばれて
天使と呼ばれて
女神と呼ばれて
疲れたでしょう
「こんなはずじゃなかった」
そう嘆かずにはいられないでしょう


少年と呼ばれて
天使と呼ばれて
騎士と呼ばれて
疲れたでしょう
「こんなはずじゃなかった」
そう嘆かずにはいられないでしょう


すべてを脱ぎ捨てて眠る時
何を想えばいいのでしょう


すばらしく晴れた空を見上げる時
何を想えばいいのでしょう


たった今
人は何を想えばいいのでしょう


愛しい人の顔が

浮かんでは消える

「natural」

naturalがいちばん


誰もが自然でいられればいい


見栄や欲がからむと


誰もが自分でなくなる


身動きすらとれなくなる


いらないものは捨てる


きれいさっぱり捨てる


最後にひとつだけ残るもの


「natural」 探す 探す 探す



いつ何時も本来の自分であれ

「穏やかな最後」

違和感を覚えはじめると
途端に愛は消える


爪弾きにされた愛はどこへ行くの?
もうすぐあなたも
愛を追うように去る


ガランとした部屋
空気は乾燥し 植物も息苦しそう
喉が渇いたね 何か飲もう
キミには新鮮なお水を
あたしには古いお酒を
乾杯しようね 
また静かな日々に戻るだけ


冷たい視線を
あの人に投げるのはよそうね
キミは凛としてればいいし
あたしも取り乱すことはしない
穏やかな最後は
記憶に残ることもない


キミの成長とともに
あたしも成長できてる?


まだまだだよね
あたしはまだまだだよ

「春」

春が見え隠れするこの頃

あたしの心に去来するもの

それはまだ氷みたいに冷たい



暖かい雨の日
待っても待っても
あなたは現れなかった



あの日から
誰かを待つ行為が
とても恐くて大嫌いになった

でも春は待ち遠しい



必ずやってきてくれるから
人を信じられないあたしでも
春を信じることはできるの



指折り数えて待ってるんだ

「ふたりして」

あなたの背中 ひどく寂しそうで
あたしはとまどい ひどく動揺し


ふたりして
浅い呼吸を繰り返してる

ふたりして
どんな言葉も毛嫌いしてる


孤独は誰のものでもないけれど
思いがけず舞い降りてくる 偶然をよそおって必然的に 
現在はあなたの背中に まるで羽を休めるように・・・


静かに 
去るのを待ちましょう


ふたりして
何もできる事はないのだと

ふたりして
ひとりでいるみたいに眠りましょう


今日より明日のほうが
見えない羽は軽くなる きっとね


見守る事しかできないあたしも
ひとりでいるみたいに眠る あなたのそばで

夜風が羽を飛ばしてくれるよう
そんなことを祈りながら・・・・・


(いつでも見えない羽があるの
決して飛べない羽 消えてはくれないの)

そう言ってたのは 遠い 遠い日のあたし

「また、飛んだ」

空を飛ぶことをやめた君

場所を変えて、また飛んだ

お次は海だ ブルーが好きなんだね

人間みたいにぴょこぴょこ歩いて

笑いを誘うけど 君は立派な鳥だよ 



海に飽きたら また空へと戻るかい?

いつかまた、空を飛ぶのかい?

「月」

月は寡黙でいいな

僕がどんな気分の時でも

ただ静かに 空を泳いでる

ゆったり浮かんで

何を見てるの?

何を想うの?

僕と目が合って

今どんな気分?



今日は最低な日だったんだ

優しくしてくれないかな

ずっと話していよう

返事や答えなんて

今は欲しくないんだ



寡黙な君に聞いてもらえて
僕はラッキー どうもありがとう


今日という日が最低でなくなった

「PLAY」

悲しいはずなのに
笑っていたのはなぜ・・・・・



嘘だと気づくことないまま
あたしは嘘をつくのかもしれない
悲しいふりして 笑ったふりして
嬉しいふりして 怒ったふりして
本当はなんにも感じていないかもしれないのに
感情なんて 最初からどこにもないかもしれないのに



頭の片隅に
PLAYボタンがあるのみ

「極楽」

僕は見たよ


空から枯れない花が降り

地には雲のじゅうたん


木には虹色の果実がなり
小川では清かな水の音


鳥は歌い 蝶は舞い飛び
犬と猫は仲良くお昼寝してた



僕は見とれた


目の前に広がる
この光景こそ極楽なのだと悟った



寝転がって空を仰いでいた僕の体に

不安だった心に枯れない花が降る


みんな幸せそうだ 自然と笑みがこぼれる


とても幸せそうなのに 何故だか涙がこぼれる

「方向音痴な手紙」

ゆっくりと
時間をかけて
あなたに手紙を書きます


わたしの
想いのすべて
悲しくてならないこと


知らない
言葉は使わず
あなたに手紙を書きます


今現在
わたしはきっと
幸せなのだと感じます


時々は
思い出して・・・・・
方向音痴なわたしを




静かに
手紙を出します
切手は貼らず宛名も書かず