「誰でもない」 | 色えんぴつの詩

「誰でもない」

少女と呼ばれて
天使と呼ばれて
女神と呼ばれて
疲れたでしょう
「こんなはずじゃなかった」
そう嘆かずにはいられないでしょう


少年と呼ばれて
天使と呼ばれて
騎士と呼ばれて
疲れたでしょう
「こんなはずじゃなかった」
そう嘆かずにはいられないでしょう


すべてを脱ぎ捨てて眠る時
何を想えばいいのでしょう


すばらしく晴れた空を見上げる時
何を想えばいいのでしょう


たった今
人は何を想えばいいのでしょう


愛しい人の顔が

浮かんでは消える